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非特異的腰痛
(ひとくいてきようつう)


 ~腰痛の約8割を占める~

非特異的腰痛 イラスト非特異的腰痛は、レントゲンやMRIなどによる画像診断では、骨折や腫瘍、神経の圧迫などが見当たらず、明らかな原因を特定できない腰痛ことをいいます。
筋肉の疲労や姿勢、ストレスなど、さまざまな要因が重なって起こると考えられています。
正しく理解し、適切な対処を行なうことが改善につながります。

 画像検査では原因が特定できない腰痛

   非特異的腰痛は腰痛の8割を占めるほど多く見られますが、明らかな原因が特定できないことで、不安に思われる方もいらっしやると思います。
しかし画像診断のほかに、問診や身体診察、SLRテスト(坐骨神経痛など神経症状の有無を調べる検査)などの神経的検査も行なわれます。
これによって、腰痛のレッドフラッグ(見逃してはならない重篤な疾患)の可能性が低いことを確認できるので、非特異的腰痛を過度に心配する必要はありません

 筋肉の疲労やストレスなど複数の要因が関係

 非特異的腰痛では、直接的な原因は特定できませんが、痛みをもたらす「要因」はわかっていて、それらが複合するためと考えられています。 

 ○腰の筋肉の疲労、緊張、血行 不良:   
     腰の過度な疲労は、筋肉に緊張をもたらし(筋肉が硬くなる)血行不良につながります。
血行不良によって、筋肉組織の酸素が不足したり老廃物が溜まることで、痛みとなって現われます。
また、筋肉の疲労、緊張、血行不良による非特異的腰痛は、長時間座っているなど、同一の姿勢を続けることや、腰に負担のかかる姿勢(座ったときに足を組む、前 屈み、寝転んでテレビを見るなど)によっても起こります。

 ○筋肉の微細な損傷 :
 筋肉組織には、曲げ伸ばしなどの動作によって、非常に微細な損傷が起こっています。
この微細な損傷を修復する機能によって、筋肉は維持・強化されます。
ただ、筋肉組織の修復時は炎症を引き起こす物質も放出されます。これにより痛みが生じます。

 ○ストレス :
 過度のストレスを抱えていると、痛みを抑える脳の働きが弱くなり、セロトニンやノルアドレナリンなどの「痛みを緩和する脳内物質」の分泌が低下して、腰の痛みに敏 感な状態になります。 ストレスによって自律神経が乱れて、交感神経の優位な状態が続くと、筋肉の緊張が持続して血行不良につながり、腰の痛みとなって現われるケースがあります。

 安静にしすぎず、適度に身体を動かそう

非特異的腰痛 イラスト    非特異的腰痛と診断されたときは、「過度な安静」は回復を遅らせることがあるため、できる限り普段の生活を維持することが推奨されています。
しかし痛みが強く我慢できないときは、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs )や湿布薬が処方されます。
非特異的腰痛には、運動療法が効果的です。
ラジオ体操やウォーキングなどの軽度な運動や、腹式呼吸を意識しながらお腹周りの筋肉を鍛える運動などを、継続して行なっていきましょう。
痛みの誘因となったり、痛みをやわらげる要因を妨げるストレッチは、症状を悪化させることがあります。
整形外科の医師や理学療法士の指導を受けてから行なう必要があります。
腰の痛みにつながる姿勢を習慣にしていないか、職場では対策が取られているかに注意することも必要です。
ストレスが要因になっている非特異的腰痛には、運動療法に加えて、ストレスを受けたときの考え方や行動を見直して対処能力を高める「認知行動療法」が有効です。
整形外科の医師とよく相談して連携している精神科・心療内科の受診が勧められたときは、指示に従ってください。


医療・病気の時事問題 ~抗体製剤が予防接種にRSウイルス対策が前進~  医療・病気の時事問題
~抗体製剤が予防接種にRSウイルス対策が前進~
医療・病気の時事問題

~抗体製剤が予防接種にRSウイルス対策が前進~イラスト

 改正予防接種法が国会で成立し、「抗体製剤」がワクチンと同じように、予防接種の対象に加えられるようになりました。
抗体とは、ウイルスや細菌など、体内に入ってきた異物を、攻撃して排除するタンパク質の一種のことです。
抗体製剤とワクチンの違いは、ワクチンが体内で抗体が作られるように促すことで免疫を高めるのに対して、抗体製剤は、抗体そのものを投与することで、速やかに感染予防効果が得られる点です。
今回の法律改正によって、令和9年の春をめどに、RSウイルスに効果のある抗体製剤が定期接種(原則公費負担)として開始される予定になっています。
RSウイルスは、2歳までに、ほぼすべての子どもが一度は感染するとされる、かぜのウイルスです。そして年齢に関わらず、感染を繰り返します。
おもな症状は、発熱や鼻汁、せきですが、初めて感染した新生児や乳児、特に早産児や生後6か月未満の乳児では、肺炎や細気管支炎などの重い症状を起こしやすいことが知られています。
RSウイルスに対する抗体製剤の定期接種の対象年齢や、接種方法は、今後検討される予定になっています。 定期接種の導入により、重症化しやすい乳児をRSウイルス感染症から守る取り組みが、さらに充実することが期待されています。


資料提供:メディカルライフ教育出版