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老化を抑制し細胞を若返らせる


~老化は避けられないものと思われがちですが、その進み方をゆるやかにする研究が進んでいます。
近年とくに注目されているのが「老化細胞」です。
老化の仕組みを知ることで、細胞レベルから若さを保つヒントが見えてきます。 ~

●老化のカギを握る「老化細胞」

老化を抑制し細胞を若返らせるラスト老化を抑制し細胞を若返らせるイラスト

  老化は、なぜ起こるのか。 現在、もっとも注目をあつめているのが、「老化細胞」によるものとする研究です。
老化細胞とは、「細胞分裂ができなくなった細胞」のことです。
細胞分裂ができなくなる理由としては、「細胞の寿命」や、なんらかの要因によって「細胞が傷つく」ことが考えられています。

●細胞の寿命とダメージの影響

   アメリカの生物学者レナードーヘイフリックは、「人間の正常細胞は、約40~60回ほど分裂すると、それ以上は分裂しなくなる」ことを報告しました。1961年のことです。
これはのちに「ヘイフリック限界」と呼ばれ、人間の正常細胞には寿命があることが明らかになりました。
ヘイフリック限界が起きるのは 細胞の寿命のほかに、「酸化」と「糖化」によって細胞が傷つくことによります。
体内に取り込まれた活性酸素が細胞を酸化させることで、細胞は老化細胞へと変化します。
また、糖質とタンパクが結びつくと糖化という反応が起こって細胞が劣化し、老化細胞になります。

 

●老化細胞が引き起こす慢性炎症と加齢性疾患

  老化細胞は、免疫の働きによって除去される仕組みになっています。
しかし、加齢とともに免疫力が低下することで、老化細胞は体内に蓄積されていきます。
老化細胞からは、炎症性物質(SASP)が放出されるため、身体に慢性的な炎症を引き起こします。
さらに老化細胞には、周囲の細胞の機能を低下(老化)させるという特徴もあります。
老化細胞が蓄積することは、がん、認知症、アルツハイマー病、心血管疾患、骨粗穀症などの、加齢を危険因子とする疾患(加齢性疾患)の発症要因となります。  

●老化細胞を除去する最新研究

  老化細胞を除去する薬剤や化合物のことは、「セノリティクス」 と呼ばれています。
セノリティクスを用いることで、老化の進行だけでなく、加齢性疾患の予防や治療につながることも期待されています。
セノリティクスの研究・開発は世界的に行われていて、日本ででも、複数の大学の研究グループや製薬会社によって進められています。 

【代表的な研究例】
〇GLSI阻害薬 老化細胞が必要とする酵素「グルタミナーゼー」を阻害することで、老化細胞を除去する。
がんの治 療薬としても使用されている。 

○ナトリン3b 酵素同士が結合するのを防ぐための薬で、がんの治療薬として開発されてきたこの薬に、老化細胞を死滅させる働きがあることが発見された。 

OSGLT2阻害薬 糖尿病治療薬であるこの薬に、老化細胞を減少させる働きがあることがわかった。 すでにある治療薬のため、65歳以上の人を対象にした臨床試験が行なわれている。 

○免疫(ワクチン) 老化細胞に対する免疫反応をワクチンで引き起こして、老化細胞を除去する。

●ご自身で出来ること

老化を抑制し細胞を若返らせるイラスト老化を抑制し細胞を若返らせるイラスト老化を抑制し細胞を若返らせるイラスト  老化茶房の除去薬・ワクチンおよび、細胞そのものを若返らせる薬は、残念ながら実用化されていません。 

とはいえ老化細胞を減らし、細胞を活性化するために、ご白身で取り組めることもあります。

 【食事】 老化細胞の増殖を防ぐために、細胞の酸化を妨げる成分(ポリフェノールなど)が含まれた食品を摂る。

 【運動】 運動することによって、細胞の老化を抑制し、慢性疾患を緩和する効果があることが解明きれた。 

【免疫】 オートファジー(細胞を分解してリサイクルする自然免疫)を高めることは、老化細胞の増加を防ぐことにつながる。65歳 前後でオートファジーの機能は低下するため、カロリーの過剰摂取を控え、腹八分目を実行することで活性化させる。


資料提供:メディカルライフ教育出版