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熱中症の後遺症


熱中症イラスト

熱中症が重症化すると短時間で脳に多大なダメージを与え、死亡事故 だけでなく、深刻な後遺症を残すリスクがあります。
いざというときのために、熱中症への対処や応急処置の仕方を確認し ておきましょう。

●熱中症の重症度

  熱中症は、気温・室温・湿度が非常に高い環境下で、体温を正常に保つための発汗機能が低下することで発症します。

  体温が高くなりすぎると、脳や内臓に障害が起こり、さまざまな症状となって現われます。

  熱中症による症状と対処の仕方を、『熱中症診療ガイドライン2024』から見ていきましょう。

 「熱中症の重症度」
(1度) 症状=めまい、立ちくらみ、大量発汗、筋肉痛など。
対処=応急処置をして見守る(改善しないときは医療機関へ)。
(2度) 症状=頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感など。
対処=医療機関への受診が必要。
(3度) 症状=意識障害、けいれん発作、臓器の機能障害など。
対処=入院して治療が必要。
(4度) 症状=深部体温が40℃以上、・意思疎通ができない。
対処=アクティブクーリング(医療機関で急速に体温を下げる治療法)を早急に実施。

●脳(中枢神経)に深刻な後遺症が

熱中症 主な後遺症

 熱中症は、重症度が2度以上だと、後遺症が残るリスクが高くなります。

とくに、脳への影響は重大です。

  脳への酸素供給が不足して脳細胞にダメージを受けた場合は、中枢神経障害を発症する恐れがあります。

  こうしたことは、さまざまな症状となって現れます。(図参照)

●高熱と脱水から回復させるために

  熱中症の後遺症は重症の場合、数か月から数年にわたって継続することがあります。

  脳へのダメージは、比較的短い時間(場合によっては数分)で起こります。

  脳へのダメージを防ぎ、熱中症で後遺症を残さないためには、体温か高い状態と脱水症状からいかに早く身体を回復させるかが、後遺症だけでなく命を守るためにも、大きな鍵となります。

  熱中症の応急処置法を確認するようにしましょう。

 「熱中症の応急処置」 

①意識障害
(呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない、言動に乱れ)が起こっていないか、 自力で水分補給ができるか確認する。

 ②意識障害がなく、自力で水分補給ができる場合は、
できるだけ涼しい場所(室内が理想)へ移動させ、服をゆるめ、太い血管がある箇所(首の前側、腋の下、股関節部)に冷たい タオルなどを当てて、体温を下げるための応急処置を行なう。

 ③意識障害がある場合は、迷わず救急車を呼ぶ。


資料提供:メディカルライフ教育出版