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脂質異常症

~動脈硬化を引き起こす最大の原因~

脂質異常症の発症は、「血液中に存在する脂質の量」に異常が起こることから始まります。
特に問題となるのは、LDLコレステロールの増加です。 

●脂質異常症から重篤な病気への流れ

  LDLコレステロールは増えすぎると、血管の壁に付着して粥状の塊(アテローム)を作る性質があります。
血管にできたアテロームによって血管内が狭く、厚く、硬くなります(動脈硬化)。
これにより、血液の流れが阻害され、脳や心臓の致命的な機能低下を引き起こします(脳梗塞、心筋梗塞)。
またアテロームは、破れて出血することがあり、そのときできた血の塊(血栓)によって血管が塞がれると、
重篤な脳梗塞、心筋梗塞の発症へとつながります。 

「まとめ」 

①LDLコレステロールの増加。 

②血管の壁にアテロームを生成。

 ③アテロームにより血管が狭く、厚く、硬くなる(動脈硬化)

 ④動脈硬化によって血液の流れが阻害され、脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な病気の発症に。

●脂質異常症の診断基準

  脂質異常症の診断は、次の数値に該当するかで行なわれます。
◎LDLコレステロールー140mg/dl以上
◎HDLコレステロール40mg/dl未満
◎中性脂肪150mg/dl以上(空腹時) ○中性脂肪175mg/dl以上(非空腹時)

●高血圧・糖尿病・内臓脂 肪型肥満との台併

  脂質異常症による動脈硬化は、高血圧・糖尿病・内臓脂肪型肥満と合併することで、
さらに状態が悪化します(メタボリックシンドローム)。
高血圧は、血管の壁に常に高い圧力をかけ、糖尿病は、糖によって血管を傷つけます。
また内臓脂肪は、コレステロールのバランス異常を引き起こすため、LDLコレステロールを増加させます。

●治療は生活習慣の改善から

 脂質異常症 イラスト

脂質異常症の治療は、
多くの場合、まず食事療法と運動療法が行なわれます。

 「食事療法」 

肉類や乳製品、卵の黄身、イクラ、タラコなどの魚卵からの脂肪摂取を減らす。
青魚による不飽和脂肪酸、
野菜・きのこ・豆・海藻類による食物繊維を積極的に摂る。
オリーブオイルやキャノーラ油などの不飽和脂肪酸を含む油を使用する。
糖類やアルコールの摂取を控える。 

[運動療法]

 ウォーキングやジョギングなど の有酸素運動を、毎日30分以上行なう。
食事療法と運動療法によっても脂質異常症の数値が改善されない、
あるいは、早急に数値の改善する必要がある場合は、
LDLコレステロール値を下げる薬による薬物療法が検討されます。

●遺伝的要因が関係すIケース

   脂質異常症には、「家族性高コレステロール血症」に代表される、遺伝的要因によって発症するケースもあります。
ご家族のなかに脂質異常症の方がいる、若い頃からLDLコレステロール値が高いという人は、医師に相談しましよう。     早くから脂質異常症の治療を受けることは、動脈硬化のリスクをさげることにつながります。



生活ほっとニュース 生活ほっとニュース ~【ノロウイルスの変異株】

ロウイルスの変異株 イラスト

   感染性胃腸炎の代表的なものは、ノロウイルスによるものです。 ノロウイルスが存在する排せつ物・吐しゃ物に触れることや、ノロウイルスに汚染された食品から感染して、嘔吐や下痢、発熱などの症状を引き起こします。 ノロウイルスの流行はこれまで、秋から冬にみられることに特徴がありました。 しかし今年は3月を過ぎても流行が続き、統計を取り始めて以来、夏場に過去最高ベースの感染状況が起こりました。 この背景には、「ノロウイルスの変異株に対して、多くの人がまだ免疫を獲得していないため」と、専門家は指摘しています。 これからの季節、ノロウイルス対策はより大切になります。 ノロウイルス対策の基本は、調理時には手洗いを徹底すること、しっかりと食材を加熱することです。 また、感染性胃腸炎の症状を起こした人がいる場合は、嘔吐物や便は、使い捨て手袋・マスク着用をして、塩素系漂白剤で処理・消毒してください。 乳幼児や65歳以上の方の場合は、ノロウイルス感染による重症化リスクが高くなります。 嘔吐や下痢による深刻な脱水症状や、意識障害、吐いたものに血が混ざっている、耐えられないほどの激しい痛みがあるといった場合は、至急、救急車を呼んでください。

資料提供:メディカルライフ教育出版