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原発性脳腫瘍(げんぱつせいのうしゅよう)

~脳細胞の変異によって起こる~

脳腫瘍には、ほかの臓器のがんが関連せずに脳に腫瘍が発生する「原発性脳腫瘍」と、ほかの臓器のがんが血液によって脳に運ばれて腫瘍を生成する「転移性脳腫瘍」があります。
今回は、原発性脳腫瘍を取りあげます。


●脳にできた「はれたできもの」

腫瘍は、腫=「はれる」と瘍=「できもの」という意味の漢字からできています。
脳腫瘍は、脳そのものに加えて神経や血管といった部位も含めたいずれかに、「はれたできもの」が生じている状態を言います。
この「はれたできもの」は、細胞の遺伝子に変異が起こり、細胞が異常に増殖することで作られます。
また脳腫瘍には、時間の経過とともに大きくなったり、広かっていくといった性質もあります。

●種揚ができた部位で良性・悪性
原発性脳腫瘍イラスト

脳腫瘍には、良性と悪性のふたつが存在します。
大きな違いとしては、良性脳腫瘍は、「脳の外側」にある髄膜や下垂体腺、神経を包んでいる膜といった部位にできることが多くなつています。
一方の悪性脳腫瘍はおもに「脳の内側」にある神経組織にできます。
ほかの臓器から転移して起こる脳腫瘍を除く、原発性脳腫瘍の良性と悪性の割合は、良性が6~7割を占めるとされています。

●脳腫瘍によって起こる症状

脳腫瘍でもっとも多い自覚症状は、頭痛です。
腫瘍が脳の神経を圧迫するため頭痛が起こります。
典型的な例は、「朝起きると頭痛がするが、活動しているうちに徐々に治まる」といった症状です。
こうしたことが頻繁に起こる方は、かかりつけ医に相談してください。
脳腫瘍は頭痛以外にも、腫瘍のできた部位の影響によって、めまい、疹れ、麻疹、痙學、嘔吐、言語障害、記憶障害、認知機能の低下といった様々な症状が起こります。
脳腫瘍が進行すると頭蓋骨内部の圧力が上昇して意識障害を引き起こし、やがて死に至るケースもあります。

●複数の検査で正確な診断が可能

 脳腫瘍が疑われる場合は、CT(コンピューター断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像法)、MRA(磁気共鳴血管画像)といった画像検査や、頭部血管造影検査、PET(陽電子放射断層撮影法)検査が行なわれます。
さらには、腫瘍の組織を採取して調べる「生体検査」といった様々な検査によって、腫瘍の位置や大きさ、良性か悪性かといったことを調べます。

●脳腫瘍の治療法

 脳腫瘍の治療は、腫瘍の除去や腫瘍の肥大化を抑えることが治療の目的となります。
良性の脳腫瘍では、薬物療法の効果が認められないため、手術療法によって腫瘍を摘出する方法が基本です。
良性の脳腫瘍は、手術で取り除けば完治が見込めます。
悪性の脳腫瘍では、手術療法のみで腫瘍を取り除くことは困難なため、放射線療法と薬物療法が同時に行なわれます。
放射線療法は非常に進歩しています。
とくに、カンマ線を腫瘍にピンポイントで照射して壊死させる「ガンマナイフ治療」では、脳深部にある直径3cm以下の脳腫瘍に対して非常に高い治療効果が期待できます。


生活ほっとニュース~「耐震診断」

生活ほっとニュース 能登半島地震における石川県内での住宅被害は、7万6000棟あまりにのぼりました。
家やビルを建てるには、建築基準法で定められた「耐震基準」を満たしている必要があります。
この耐震基準は、1981年に改定が行なわれ、大幅に強化されました。
1981年5月以前のものは旧耐震基準。それ以降は、新耐震基準と呼ばれています。
大きな違いは次の通りです。

 ○旧耐震基準=震度5強程度の地震では建物は倒壊しない。

 ○新耐震基準=震度6強、7程度の地震でも建物は倒壊しない。 1981年5月以前の建物(とくに木造住宅)の場合は、震災時には大きな被害がでるリスクがあります。 

耐震診断イラスト地震にどれだけ耐えられるかこれを知るには、「耐震診断」を受けることが必要になります。
耐震診断では、旧耐震基準で作られた建物の強度(耐震性)を、新耐震基準に照らし合わせて調べます。
ところで、耐震診断はどこに頼むと良いのでしょうか?
地方自治体は、耐震診断の相談窓口を置いています。
ここで、耐震診断を行なっている業者を紹介してもらえます。
同時に、費用の助成制度についての相談も受けられます。 

資料提供:メディカルライフ教育出版