~若い世代のtl牲に多い病気~
バセドウ病は20~30歳代の女性に多い病気で、この年代の女性の300人に一人が罹患しているとも言われています。
○最近、とても疲れやすい。
○たくさん食べているのに体重が減る。
○目が飛び出てきたように感じる。
こうした方は、この病気を疑ってみる必要があります。
甲状腺は、のど仏の下あたりにあり、身体の新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンを
分泌する臓器となっています。
この甲状腺の機能が亢進して、過剰なほど甲状腺ホルモンが分泌されるのがバセドウ病です。
バセドウ病は、自己免疫疾患に分類されています。
自己免疫疾患とは、正常な細胞を異物とみなして、大量の抗体を作り出すことで過剰に刺激してしまう病気です。
バセドウ病の場合は、甲状腺が異物とみなされ、甲状腺を刺激するTSHレセプター抗体が産生されます。
これによって甲状腺ホルモンの分泌が過剰になります。
甲状腺ホルモンは、身体の新陳代謝に欠かせないホルモンです。
しかし、過剰になると身体に大きな負担がかかります。
「深夜寝ている間も、身体はジョギングをしている状態」とも例えられます。
具体的には、
慢性的な疲労感、動悸や手足の震え、頻脈、心房細動、大量の発汗、
生理不順、下痢といった症状がみられます。
更年期障害の症状に似ていると説明する専門家もいます。
バセドウ病が進行すると「甲状腺クリーゼ」という危険な状態を引き起こす恐れがあります。
甲状腺クリーゼは、バセドウ病の治療を受けていない(あるいは、治療を自己判断で中断している)といったケースで発症するリスクが高まります。
こうしたとき、なんらかの感染症への罹患や、ケガ・手術といったストレスを受けると、複数の臓器に急速な機能低下が起こり、
意識障害や呼吸不全が起こり死に至ります。
バセドウ病の治療は、薬物療法が第一選択肢となります。
定期的に行なわれる血液検査をもとに、薬によって血液中の
甲状腺ホルモンの量をコントロールします。
治療の過程で甲状腺の腫れはおさまり、耐えられないような自覚症状は緩和されていきます。
薬物療法は長期にわたりますが、苦痛をともなうものではありません。
医師の指示に従って定期的に通院し、正しく薬を服用すれば、
支障のない普段どおりの生活を送ることができます。
薬物療法だけでは症状が改善されない、
あるいはそれ以外の治療を望まれる場合には、
放射線療法(アイソトープ治療)や手術療法が選択されます。
放射線療法は、放射線を直接照射するのではなく、
放射性ヨードの入ったカプセルを飲むだけのものです。
手術療法は、甲状腺の大部分を切除する方法です。
他の治療法よりも短期間での完治が期待でき、
病気の再発も少ない方法ですが入院が必要になります。
はしか(麻しん)は、はしかウイルスに感染することで発症する病気です。
はしかウイルスには、空気感染を含む非常に 強い感染力があります。
はしかは発症すると39℃前後の高熱がでて、全身に小さな赤い発疹が広がります。
はしかが怖いのは、身体の抵抗力を低下させ、肺炎や脳炎といった死亡リスクがある合併症を引き起こす恐れがあることです。
日本では、はしかウイルスの撲滅状態が認定されています。
それでも流行が起きるのは(はしかの流行地域を含む)海外との交流が活発化していることが要因のひとつとしてあげら れています。
また、1990年4月以前に生まれた方は、はしかワクチンを一度しか接種してない人が多く、場合によっては一度も接種していない人もいて、免疫が不十分な可能性があることが指摘されています。
はしかの感染は、ワクチンの接種によってほぼ完全に防ぐことができます。
ただ現在は、ワクチンの品不足が起こっていて、乳幼児への接種が優先されています。
はしかに罹った覚えがない方や、はしかワクチンの接種を受けたかわからない方は、まず医師に相談しましょう。
そして免疫検査の結果によって必要があれば、はしかワクチンの接種を受けるようにしてください。
資料提供:メディカルライフ教育出版